パートナーシップ制度 / 人権施策
唐津市議会でこのテーマが挙がるようになったのは2017年からです。
このブログを読んでいただいている方で、「パートナーシップ制度」と聞いてピンとくる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。
パートナーシップ制度とは
・自治体単位で、条例や要綱において制定されます
・法律婚以外のパートナーの在り方もあることを、施策で肯定していくものです
(事実婚にも、この制度を適用できるような制度設計もあります)
・行政が「AさんとBさんは、家族同然の人間関係です」と証明するものを発行します
・法律婚ではないため、戸籍への反映はありません
・同性婚が想定されていることが多いようです
こちらのサイトが参考になります。
LINEにて、新型コロナウイルスの実態調査アンケートが行われていましたが、「性別」の項では「男性」「女性」「その他」、職業の項では「主ふ」との表示になっていることに お気づきでしょうか。男女共同参画の流れでもあります。
議員になって、任意保険の案内を受け取るのですが、その中にも同性であっても家族同然の関係であれば、家族同様の保険の適用となる説明書きがあります。ただし、住所を共にしていないといけないなど、法律婚の人に比べると不利な内容です。
その他、一般の保険商品や、携帯電話の契約でも、同様の動きがみられます。
パートナーシップ制度があり、証明書の発行を受けることで、こうした不利な面を改善できないだろうかと思います。
制度の利用をオープンにする必要はありませんし、個々の幸せ・安心感をまずは大切にしたいと思います。
書籍も色々と発刊されていますが、こちらを紹介しておきます。ドラマ化もされて、主人公の一人が弁護士という設定もあり、法的に困っても相談を躊躇う人もいることが描かれています。現在、日弁連も佐賀県弁護士会も、人権擁護の視点から内部の理解促進にも取り組んでいますので、相談は可能ではないかと思います。
唐津市のHPの内容も、2017年から、一般質問での提案を受けてとても充実しました。
今回の質問では、3年間、「先進自治体の取り組みを研究する」との答弁だったので、それらの取り組みの結果、何を得たのか、何を課題として、どう取り組むのか。制度設計を考えていいのではないかと質しました。
結論としては、「他の自治体を参考に、さらに検討する」という、これまで同様の答弁でしたが、質問のたびに情報提供・意見交換を活性化させることができます。
これは、一人一人が人生の選択肢を守られ、自分らしく幸せになる権利を守るという、人権の問題です。感覚として受け入れらない人の気持ちも大切ですが、価値観を押し付け合う人間関係は、他のことにおいても「圧」となり風通しを悪くします。
私は、唐津は多様性ある面白いまちだと受け止めています。
行政が「偏見や差別が根強い」と判断している根拠が示されていません。調べずに「市民の認知度と理解が進んでいない」というのは、市民に対して失礼ではないかとも思います。
「あなたは あなた」として、私の人生を支えている人たちに対しては、間違いなく失礼です。
最後に、書籍を一冊 ご紹介します。ゲイ男性は、様々なセクシャリティの方たちの中でも心無い対応を取られがちなようです。誰も自分のことを分かってくれないと絶望している人がいるなら、届いて欲しい一冊です。
書籍の紹介をたくさんしましたが、LGBTなどの当事者たる人は、近年の全国的な調査の結果、人口の1割ほどいらっしゃるようです。「もしも、うちの子が当事者だったときには、どうすればいいですか」と相談されることがありますが、「当事者」といっても様々ですので、「あなたは あなた」と受け止め、その人にとっての幸せは何か、何かに困っているのか、無理に聞き出そうとせず考えてみることからだと思います。
トランスジェンダー以外の人は、子ども時代には悩みはなかったという人も珍しくありません。二次性徴やトイレ・体育・修学旅行など、トランスジェンダーの人には学生期は言葉にならないほどの苦しみが多いようです。私も、その苦しみを完璧に理解することは出来ませんが、その人の在り方を尊重して、苦しみを少なくできる社会にしたいとは思い続けています。
もしも、家族が当事者で悩んでいたら?と心配される場合、話のきっかけとして、関連書籍をリビングなど見えるところにさり気なく置いておく、などもいいかもしれません。相手のタイミングを大切にしましょう。
打ち明けられたときに、周囲の人に相談するのではなく、専門機関やNPOなど経験と情報をもったところに相談しましょう。相談された人が悩まないためにも、市のHPにあるような情報提供は大切です。