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20年前に出来たのに あまり知られていない「介護保険」

いつだったか、市民の方が「前の年と収入が変わってないのに、保険料の徴収額が増えていた」と通知を持ってこられました。家族構成を聞いていきますと、40歳になられた方がいたようです。徴収額が増えた理由は「40歳になったから」です。嬉しくないプレゼントですね。

法的に決まっており覆すことはできないため、間違いではないことを説明することしか出来ませんでした。

 

介護保険事業で、令和元年度当初の見込みより利用が少なかったことで、国庫に返還となったのは7212万2000円。その前の年は、1億465万円でした。十分な見込みを行うことが原則ですので、利用が少なかった分が「返還」となり、年毎に変動するのは自然なことです。

介護給付にかかる返還金の割合が多く、地域支援(介護予防)にかかる返還金の割合が少ないという結果でした。

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kaigo.homesから

kaigo.homes.co.jp

 

また、「介護保険料」として支払っている分の収支差額でプラスになった分は、全額ではないながら、3年ごとの計画策定において保険料軽減にあてられます。次期の計画、令和3・4・5年度分にあてられることになります。(令和2年度末で総額が5億7000万円ほどの見込み)

 

今回、介護給付にかかる返還金の割合が多かったことを、どう捉えるかですが、福祉入浴施設の利用者について調査したときに、介護保険制度を利用されていてもおかしくないと思われる方が、介護保険の利用をされていませんでした。必要に応じて介護サービスを受けられる「社会保障」の役割は重要です。同時に、「できる限り、自力で、好きなように生活したい」という意思を尊重することも重要です。

そう考えたときに、地域支援事業の返還金が少ない=よく利用されたことは良いことなのかもしれません。

 

介護にかかる前から、窓口を知っておいてもらう・介護サービスについて知ってもらうため「今すぐ必要ではないが、不安がない訳でない」という方には、地域包括支援の窓口で介護サービスについて聞くだけでも良いことをお伝えしています。

また、唐津市の老齢人口は約3万7000人で、現役でお仕事をされている方などもいらっしゃると思いますが「介護支援ボランティア」があり、受入れできる事業者さんが幅・数とも増えれば、ボランティア登録数も増やすことができ、多様な社会参画の場が増え、介護予防にもなるという循環ができればと思います。

www.city.karatsu.lg.jp

 

安定して社会参画するためにも、老後の生活費に安心感のある社会保障全般であって欲しいものです。健康と引き換えに生活費を得なければならない社会に、介護・医療費の抑制はできません。自己責任では収まらない、社会の仕組みの中で私たちは生きています。

この仕事になって勉強して知ったことは、「社会制度は知らないと損をする」ということです。

 

冒頭に書いたように、40歳になると自動的に徴税されます。

それだけでなく、介護保険制度の維持費の50%は保険料以外の税収を財源としています。しかるべく制度を活用すること。子どもの頃から、心身の健康を大切にすること。持続可能な社会保障制度のために必要ではないかと思っています。