令和2年度佐賀県原子力防災訓練
11月7日(土曜日)、原子力防災訓練が行われました。
当日の私の動きは以下のとおりです
8:00 唐津市役所 災害対策本部
9:20 桃山天下市 駐車場(鎮西町⇒白石町への避難者集合場所)
10:20 第五中学校(和多田用尺地区⇒神埼市への避難者集合場所)
12:30 神埼市中央公民館
(時刻について、四捨五入 10分単位)
災害対策本部 8時の会議では、
・7時に九州電力から緊急災害の連絡
・玄海原子力発電所 四号機において冷却材の漏洩が発生
・自然災害ではなく、単独事象
との設定が報告されました。
次に
・8時の時点で、住民からの電話問合せはパニック状態
・職員の参集は3割程度、避難対応等の職員は配置済み
・国が主導で避難することになるが、実施方針(案)について唐津市として承認するかの確認 ⇒ 県へ報告
・8時20分、九州電力への避難支援車両要請の合意 ⇒ 対策本部に参加の九電班が要請連絡
・最後の10分間で、原子力発電の技術者である対策監から、原子炉のつくりや熱量について説明
避難者の方では、鎮西町では屋外にて乗車の指示を待たれていました。バスの運転手だけが全身を覆うことができる装備。バスは、感染症対策のため感染リスクがない人用に1台、感染リスクがある人(濃厚接触者、熱発者など)用に1台。
感染者は、自宅にてピックアップ(県が行う)となり、バスでの移動に感染者はいない想定です。
避難の経路を振り返ってみましょう。
画像に表示されている道順は自動的に出てくるものであり、避難計画の経路ではありません。
計画どおり10時40分の出発(左)
約1時間後、「しゃくなげの里」でトイレ休憩(右から2番目)
避難先の神埼市中央公民館へは、12時26分 到着
濃厚接触者への対応は、マスク、フェイスシールドを装着した職員が専任となるようです。バスも人手も、従来の想定より多く必要です。
① 女性用とされたテント
② 体調不良などの相談の窓口となる想定のテント
③ 前日から唐津市職員が現地入り。およそ40のテントを展開するのに6名で約1時間。テントは唐津市の備品。
④ 収納状態のテント。持ってもらったのは背の高い男性だが、身長154センチの私でも一度に4つほど運べそうな重量
この訓練で得られたことは?
・通信の確認(行政機関間、発信側)
・避難経路の確認
・ほんの一部の市民ではあるが、避難所の確認
いづれも、大規模訓練でなくても確認できそうです。
この訓練で得られなかったことは?
・安定ヨウ素剤の緊急配布の経験
・スクリーニングの機材を使用する経験
・防護施設の設備作動の経験
引き続き、課題であることは?
・住民の情報取得状況
・感染症と避難の両立
・避難元と避難先との連携
・複合災害への対応
・今回の訓練内容に入らなかった全て
「原子力防災のてびき」より
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まとめ
原子力による発電を卒業するとしても、廃炉の問題が残っており技術者や労働者は今後長く必要とされます。
冷静に考えれば「避難が必要になる事態になれば対応は「ぶっつけ本番」状態になる」と見ていいのではないでしょうか。また、人だけ避難できたとしても、犬や猫、その他 人以外の動物たちへの対応はできていません。
まして、牛や馬は。地域の山車や曳山は。海や山の生き物は。
とても「共存共栄」とは言えないでしょう。原発を止めても訓練は必要です。それでも、原発を止めておく方がリスクは減るなら止めるべきでしょう。