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「黙って働き 笑って納税」な訳ない ⇒ 投票いこう

私は30代になるまで、投票なんか行くだけ時間の無駄だと思っていました。

そんな過去の自分に教えてあげたいこと。今の自分が「なんで誰も言ってくれんかったんやろう」と思う事を綴っていきます。

綴ることは この間 考えてきたことであり、今後も考え続けていくことです。終着地点ではないことをご了承ください。

 

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投票率とは何か

・「投票に行かない理由」 ~ かつては私もそうだったけれど

・#唐津市議会議員選挙 は公職選挙法違反か

投票率を下げているもの ~ 自己責任論で終わらせない

 

投票率とは何か

 ちょうど成人式の時期ですね。「納税は国民の義務」といわれますが、「自分らしく生きることは あなたの権利」だとは言われないことを残念に思います。自分らしく生きるために、教育・教養があり、学校とは人に従うことを学ぶ場所ではなく 他者を知り、自らを知り、多様性の中で豊かに生きていくためにあるべきであって、個の発展の先に、結果として国の発展があるのだと、それが新成人の方に伝えたいことです。

 

 2018年 参院選の結果では、唐津市の若い世代の投票率は県内10市の中で8~10位と最低を争うレベルでした。

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2018年 参院選挙 投票率(県選管データから作成)

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過去の唐津市投票率一覧(唐津市HP内より)

投票の結果が、どれだけ詳しくデータ化可能かご存じでしょうか。

例えば、ある集落(町)の60歳代の投票率が0%で、同じく30歳代の投票率も0%、その集落(町)全体で何パーセントが投票に行ったか。地域ごと、世代別で投票の有無がわかります。

資料公開の手順を経れば、これらの結果を知ることができます。

 

 例えば、あなたが立候補を考えている人や議員だったと仮定してください。

本当は、日常的にも選挙中にも、様々な価値観や政策、未来への展望を候補者が示し、聞いた人に共感や新たな視点・疑問が生じるのであれば、選挙には当選・落選だけではない社会的価値があるのですが、現在は日本中で「勢力争い」「陣地争い」の性質を帯びており、それが若者に「選挙がバカバカしい」という素直な感想をもたせているのではないかと思います。

 さて、そんな中で、あなたが候補者だったとしたら、実績として投票に行っていない人たちの地域にどれだけの情熱を注ぎますか。投票に行かない年代の人たちにどれだけのエネルギーと時間を注ぎますか。

問いかけを変えるなら、限られた時間・費用で効率的に当選しようと思ったら、どんな戦略をとりますか。

 

 これらの答えが、「地域の集まりに議員がきても、上の方の人とばかり話している。」という、この4年間 各地で耳にしてきた声に繋がっているのではないでしょうか。

ここは一つ、自分から声をかけてみてはいかがでしょうか。必ず、何か得られるものはあります。

 

 先に、投票の有無はデータ化されると書きましたが、投票用紙になんと書かれたかは分かりません。民主主義の大切なところです。

かつては、たくさんの納税をしている人、それも男性(人口の約1%)しか投票できない時代がありました。そうすると、その「裕福な男性たち」にとって有益な政治にどんどん偏っていきます。その時代ごとの先輩方が、地道に要求し実現してこられたものが現在の「選挙権」です。

 投票しなければ「どんな悪法、苦しい制度になったとしても従います」という意思表示であり、例え 白紙であっても投票すれば「今回は投票したい人がいなかったけど、黙ってるわけじゃありませんよ」という意思表示になります。(私はそう考えています)

 せっかく足を運ぶなら、誰か選んでみようか となって欲しいところではありますが。

 

 投票とは、意思表示です。

投票用紙に書く内容を他者が強制することはできませんし、家族であろうと人に話す必要もありません。

 

・「投票に行かない理由」 ~ かつては私もそうだったけれど

 2019年7月21日 参院選の後、LINEリサーチがアンケートモニターに対する選挙についての調査をおこなっています。

www.linebiz.com

 投票しない理由 総合ランキングでは

一位 予定があった/急用が入った

二位 時間がない/忙しい

三位 投票したい候補者/政党がいない

 

総合 八位の「体調不良」は年配の世代に多かったようです。

六位にきた「選挙や政治がよくわからない」気持ちはよーく分かります。三位の「投票したい候補者/政党がいない」、四位「選挙や政治に興味がない」とリンクするように思います。しかし、前述したように、投票はアイドルの人気投票と違って、したい人がするものではありません。

タイトルの「黙って働き 笑って納税」は、昭和12年に実際にあった国策スローガンからとりました。昭和12年、野党の法案審議の引き延ばしに対し、時の政権が戦略的衆院解散を行います。その選挙での当選者が、合法的に任期を1年延長され、その間に「大政翼賛会」が結成され、軍部主導の政治を止められなくなります。

SFではなく、実際に、国策に忠実な議員のみによって形成される新しい議会制度を確立するという、自由選挙に代わる新しい選挙原理を導入すべきであるとの提案が行われ、実施されたようです。また、軍部に忠実な政治家を生み出すために、選挙資金は陸軍の機密費(臨時軍事費)から支出されており、その資金で当選した議員は「臨軍代議士」と呼ばれたそうですから とんでもない時代です。ですが、日本の話です。

 

 昨今、私たちは過去の轍を踏みそうになってはいないでしょうか。

投票の権利を放棄するというのは「黙って働き 笑って納税」を容認するということかもしれません。ブラック企業や 人を使い捨てる働き方に対する規制を厳格化しない一方で、働けなくなるのは自己責任とする国であることを容認するということかもしれません。添加物、農薬を厳しく監視・規制し、心も体も健康でいられる農水畜産業を守ることに 十分な策を打たず、心身のバランスを崩すのを個人や家族の責任に矮小化する国であることを容認するということかもしれません。少なすぎる文化・芸術への予算を容認するということかもしれません。

あなたも何か思いつくことがありませんか。

 政治と無関係で生きていける人はいません。「社会保障には頼らない。だから放っておいてくれ。恩恵を受けないのに、なぜ納税ばかり求めるのだ」と、幼い頃の私は思っていました。しかし、既に恩恵を受けているのです。学校の校舎などは、道路は、電車は、ガソリンや灯油は、スーパーやコンビニに並ぶ商品は、なりたい職業を考える余地は、、、いいことも、そうでないことも、政治と繋がっています。

 

 経営者のみなさんには、雇用する方たちに「投票へは必ず 行くように」と、そのための時間をつくっていただきたいです。投票に行かせるだけで、その内容まで干渉することなく。

 投票所へ行って、雰囲気が気まずいと感じるなら変えればよいのです。行かなければならないのだから、もっと利便性がよく、足を向けやすい雰囲気や開設をしてほしい と、選挙管理委員会や市長、議員など 人を選ばず話してみればよいのです。

 義務教育で身につけて欲しいのは、感じたことを言語化し、伝えるべき人に伝えるための技術と経験です。そういう人を孤立させない、緩やかな繋がりをつくる術です。

 

 令和2年度の市長・市議会議員選挙費予算は、9996万6000円です。このお金を「私はここにいる」という表明すらせず、掛け捨てますか。

投票するか、しないかというのは、結局 自分自身や社会に向き合おうとするか、ということなのかもしれません。

 

・#唐津市議会議員選挙 は公職選挙法違反か

 そうはいっても、候補者を知った上で投票したい。真面目な人ほどそうでしょう。

政治活動などで配布される印刷物は、作成者が「書きたいことを書いたもの」であって、あなたの想いに応えたものであるとは限りません。本人が作っているとも限りません。広報物の作成がうまい人が、ともすれば賃金を得て作成しているかもしれません。また、公職選挙法では「あれはダメ、これはダメ」と禁止事項が多いのに、所属政党は推薦・公認でなければ記載しなくてよいとなっています。投票にいかない理由に「政党とかよく分からない」とありますが、あなたが分からないような制度になっているからでは?だとしたら、何のために?と疑問が湧きます。

全戸配布などの印刷物については、「この人らしさが出ているな」と思うこともありますが、議会に4年間いた私でさえ「これでは分からないな」と思うことは珍しくありません。

 まずは、自ら足を運んでくる人かどうかは重要です。

 次に、インターネットを活用して欲しいですね。例えば、#唐津市議会議員選挙 が違法かどうかは内容によります。特定の候補予定者への投票を呼び掛けると違法ですが、自らの価値観、経験、取組み、政策、展望などを発信することは可能です(選挙管理委員会へ確認済み)。ネットの活用は、有権者にとって、自分のペースで必要な情報を集められるというメリットがあります。さらに「#」が、自動的に関連情報の収集を手伝ってくれます。

 

 #●●市議会議員選挙 は公選法違法ではありません。FBなどでは、「#」を付けた上で有料広告を行うことも可能であり、有権者にとっても情報収集がしやすくなります。

※ 内容には留意ください。分からないときは、選管に聞いてみましょう

 

投票率を下げているもの ~ 自己責任論で終わらせない

 投票に行かないのは、あなただけの責任ではありません。

義務教育で行われる有権者教育が「あなたがして欲しいことを、代わりにしてくれる人を選ぶのが選挙」と教えていることを知ったときは衝撃的でした。遊ぶ場所が欲しい、アトラクションパークが欲しい・・・それさえ、投票の理由だったからです。

 あなたが投票に行かないのは、これまで関わってきた社会が、投票の意味や大切さを伝えきれていないからです。伝えず、政治に無関心でいてくれる方が都合のいい人たちがいるからです。

 自然とそうなってきたのではありません。投票へ行っても 何も変わらないと思うこと、そのものが既に狙い通りだとしたら、その先の狙いはなんでしょうか。政治は恐ろしいということを日本史・近代史はなぜもっと教えないのか。それもまた政治です。

 

2021年、唐津市での最初の大きなイベントは、市長選・市議会議員選挙ではないでしょうか。まつりごとは、祭りに通じます。全員参加の年となることを願います。