上限96万円⇒99万円へ アガル保険料・サガルテンション
3月24日の全員協議会(傍聴はできるが、放映はない)で以下の点について執行部から報告・説明がありました。
①唐津市税条例の一部を改正する条例(案)について
②唐津市国民健康保険税条例の一部を改正する条例(案)について
④唐津市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例(案)について
参考
①
②
③
④
◆国保
現在、国保の限度額を支払っている565世帯(61万円)が上限の引き上げによって536世帯(63万円)になり、1100万円ほどの保険料収入増となります。
一方、5割・2割の軽減枠が拡大します。5割軽減はプラス55世帯。2割軽減はプラス36世帯。317万円ほどの保険料収入減となります。
◆介護保険
保険料の軽減が強化されます。(参考:条例の4条関係)
・生活保護、市民税非課税、前年課税年金収入と所得金額が80万円以下の人
年額26916円⇒21540円(6960人)
・世帯全員が市民税非課税、本人の前年課税年金収入と所得金額80万~120万円
年額44868円⇒35892円(3870人)
・世帯全員が非課税、本人の前年課税年金収入と所得金額が120万円を超える
年額52044円⇒50244円
保険料収入が減る分を、1億8000万円ほどを令和2年度 当初予算に見込んだということでした。
タイトルにある「上限99万円」の計算は資料画像をご覧ください。
唐津市独自で変更する訳ではありませんので、以前も書きましたが「法定内繰り入れ」を超えれば「罰則、ペナルティ」で一般財源の歳入が減ってしまいます。
お金のある人には、応能負担で支払ってもらっていいんじゃないかと考える方もいらっしゃるでしょう。はい、その心情は察します。しかし、具体的に考えてみましょう。上のモデル世帯は42歳の夫婦と18歳未満の子が2人です。これで課税収入が600万円ほどだとします。もし、家の購入などしていればローンがあります。30代の頃に「今の感じなら何とかなるかな」と思っても40歳を過ぎた時点で介護保険料17万円がいきなり上乗せされてきます。「え?!マジ?!」ですよね。
子どもの教育費もかかります。障がい手帳に認定されるほどではないまでも、困難な事情がある場合はそちらに手もお金もとられます。国民健康保険ですから、もちろん自営業者です。休めば、そのまま収入減に繋がるためちょっとくらいの無理をし続けたとします。40歳前後、ホルモンバランスや体調が狂いやすくなり不調が「ちょっと無理して」の限度を超えても前年収入で保険料は請求されます。
平成29年の話ですが、所得500万円以上のうち滞納が18世帯ありました。
滞納者全体において、滞納理由は怠慢や納税意思なしは約2割。8割は事業不振・借金などです。
この国の制度は「応能負担なのか?」という疑問です。これで「フリーランスを推進しよう!」と言っているのだから驚きです。国の制度から変える⇒国政選挙で意思表示です。
◆唐津市のこと
新しい健康保険証が手元に届いていると思います。一緒にこんな冊子も。
18000冊が発注されています。
こうした保険証の郵送費や冊子の注文にかかる費用、事務や人件費などは、保険料収入ではなく「法定内繰り入れ」を適用することができます。
例えば令和2年度でいうと、国民健康保険税収入 30億913万4000円を見込んでいます。加えて、県から109億8493万5000円。一般会計から12億6788万円。←これが「法定内繰り入れ」です。
歳出では、保険給付費だけで107億4627万2000円を見込んでいます。これについて一般会計から繰り入れすると、国から「罰則」がくる分が含まれます。県広域化になり、医療費を抑えたとしても最終的に「減額補正」されて実費分支給となります。黒字化して基金を増やし、独自で保険料軽減をするには「保険者努力支援制度」にのっかりましょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000524765.pdf
ですので、冊子にもこのような掲載があるものと推測します。
根本的なことを考えれば、これまで日本社会に蔓延ってきた「休むのは悪」という感覚や年功序列・上意下達でストレスフルな社会の在り方、ゆるい農薬規制、労働者の権利を守る法的枠組みの甘さ、、、(ちなみに、霞が関をはじめとする役所関係もかなりの長時間労働です)など、長期的・恒常的に見直し続けなければ高齢化がなくなっても医療費は高止まりするのではないでしょうか。現在、日本全体の自殺者数は減少傾向ですが、10代以下の自殺者数は増えていると聞きます。
希望をもつ力をなくしている時に、頑張ろうなどという言葉は時に人を追い詰めます。その目線が少しだけ前に向けられるまで、待てる社会をつくろうね。