望と某と紡と世界と

好きなものは SEKAI NO OWARI、Radwimps、宇宙兄弟、ちはやふる、深夜のダメ恋図鑑、BASARA、宮崎駿作品など

あなたの「氏名・住所・生年月日・性別」提供されてます。是正を求めたらヤジの応酬@唐津市議会

本日、一般質問でした。

 

自衛隊への個人情報提供について、一項目を取り上げました。

実績からお知らせします。

・平成27年 1376人分(18歳)を印字提供

・平成28年 1399人分(18歳)を印字提供

・平成29年 687人分(18歳)を閲覧、書き写し

・平成30年 1386人分(18歳)を印字提供

・令和元年 2307人分(18歳、22歳)を印字提供 です。

 

◆「閲覧」の根拠について

「氏名・住所・生年月日・性別」の四情報は、住民基本台帳法に基づき閲覧させることができます。請求団体は、執務室内で閲覧を書き写すことになります。

『(国又は地方公共団体の機関の請求による住民基本台帳の一部の写しの閲覧)
第十一条 国又は地方公共団体の機関は、法令で定める事務の遂行のために必要である場合には、市町村長に対し、当該市町村が備える住民基本台帳のうち第七条第一号から第三号まで及び第七号に掲げる事項(同号に掲げる事項については、住所とする。以下この項において同じ。)に係る部分の写し(第六条第三項の規定により磁気ディスクをもつて住民票を調製することにより住民基本台帳を作成している市町村にあつては、当該住民基本台帳に記録されている事項のうち第七条第一号から第三号まで及び第七号に掲げる事項を記載した書類。以下この条、次条及び第五十条において「住民基本台帳の一部の写し」という。)を当該国又は地方公共団体の機関の職員で当該国又は地方公共団体の機関が指定するものに閲覧させることを請求することができる。』

e-Gov法令検索

 

◆なぜ現在「提供」になっているのか、いつからか

「いつから、どういう経緯で提供になったのか」は「記録がないので分からない」そうです。分かっているのは、平成29年度まで、住基法の「閲覧」の扱いで「提供」していたということ。個人情報の取り扱いとしては、ずいぶん長いことずさんに扱われてきたようです。

なぜ閲覧ではなく提供なのかについて、「書き写しの間、市職員の対応も必要になるから平成27年度以前から提供していた」とのことでした。書き写すのは要請側の人ですから、市職員の対応って何をするんですかと問いましたら、「あくまでも部外者なので、監視が必要」とのこと。監視が必要な相手に、何千人分の個人情報を印字提供するより、都度 閲覧の手続きを踏んでいただいた方が市民は安心だと思います。

 

◆「提供」の根拠について

提供については、自衛隊法第97条「都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部を行う」、自衛隊法施行令第120条「防衛大臣は、自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときは、市町村長に対し、必要な報告又は資料の提供を求めることができる」

これが、個人情報保護条例の例外規定に該当し、提供しないのは不適切だと答弁がありました。

しかし、防衛大臣は「名簿の提供は強制ではない」と明言しています。

ここで一つ、ポイントとして「個人情報の提供」を地方自治体に義務付ける文言があるのかということがあります。見当たらないがあるのかと問うても「ある」とも「ない」とも答弁しません。そんなやりとりが、数回 続きました。

 

◆名簿を提供する意味があるのか

自衛官獲得のために名簿を提供してくれ、これが防衛相の協力要請です。

では、効果はあるのでしょうか。唐津地区の受験者と入隊者の数は以下のとおりです。

・平成29年度 受験者65名 入隊者16名

・平成30年度 受験者58名 入隊者21名

・令和元年度 受験者74名 入隊者22名

この間、自衛隊の地域イベントへの出店も行われ、募集ポスターは各駅やコンビニ各店にも普及しました。「入隊のきっかけは、様々な要因があるので分析は難しい」と答弁ありましたが、「難しい」というほど分析に取り組んだとも思えません。

 

◆市内高校生の4割は進学=提供の意味がない

唐津市論点データ集によると、市内の約4割の高校生は進学しています。ということは、その4割の人たちは個人情報を提供される必要がありません。さらに、受験者60名や70名のために1000人を超える人の個人情報を提供するのが妥当と言えるでしょうか。閲覧もやめてもいいくらいです。

 

◆2000人分の情報量は「多くない」

現在、自衛官の応募年齢は上限が引き上げられ満33歳になりました。その前は満26歳だったかと思います。

令和元年から、18歳に加え22歳の個人情報を求められるようになったわけですが、では、18歳から32歳までの個人情報を求められれば提供するのかと問いましたら「そうなると情報量が多くなることもあるし審査会にかけて判断する」旨の答弁がありました。2000人分は多くないのでしょうか。根拠法は変わらないけれど、審査会に諮るかどうかの節目となるのは何人分なのか?設定されていないようです。

 

◆個人情報の提供によるトラブル、責任の明言は回避

自衛隊法第97条「都道府県知事及び市町村長は政令で定めるところにより、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部を行う

自衛隊法施行令第120条「防衛大臣自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときは、市町村長に対し、必要な報告又は資料の提供を求めることができる」

上記の内容に、「市町村は、個人情報の提供を行わなければならない」ことは一言も触れていません。人間が扱う以上、なんらかの紛失・漏洩・トラブルが絶対ないとはいえないことを指摘した上で、法的強制でないはずの名簿提供は唐津市の判断で行うものですので、責任は当然 唐津市にあるはずと責任の所在について確認しました。

「提供先の自衛隊において適切に管理される」という当たり前の答弁にしか至らないということは、何かあっても「要請されたから提供した。」ということでしょう。だとしたら、責任は防衛大臣にあるということですね。有用性の検証もせず、法の明記もなく、解釈によって印字提供も「要請(強制?)」していることになります。

 

◆不規則発言も「発言」ちなみに全部 自民党の議員から(その1)

「入隊のきっかけは、様々な要因があるので分析は難しい」の答弁に対し、応募のきっかけを尋ねるアンケートくらいできるはずだと提案したところ、「マーケティングの勉強してきたら」との不規則発言があったように思います。

この質問の最中「国がやること」という不規則発言もあったと思いますが、それこそ国

がやることです。マーケティングの手法だ何だと言っていたら、予算はいるわ、人手はいるわ。個人情報の提出を求めるなら、それくらいの提供の必要性を示して欲しいものです。

予算も人手もかけずに、すぐにでもやれることはあるでしょ。ということですよね。

一応、今回の一般質問の結果と併せて、国会議員につなぎたいと思います。

 

◆不規則発言も「発言」ちなみに全部 自民党の議員から(その2)

令和元年度は、自衛隊のアピールとして花火大会にあわせて護衛艦が入港し、護衛艦のライトアップを背後に花火が打ちあがりました。そこに楽し気に国民が集う様子は、切り取れば「軍事国家」の写真になってしまうことが気がかりでした。自分たちにそんなつもりがなくても、他国からどう見られるかに日本人は無頓着だと思います。

オーストラリアでJapan self defense force(自衛隊)という用語を使ったとき、相手からは即座にarmy(軍隊)と言い換えられました。

「あれはシーンとしては軍事国家とみられる」との指摘に、議場は失笑があちこちで起こり、「頭を開いて、中を見てみたい」という声があったかと思います。私もできるならそうしたいです。有刺鉄線の下を砂まみれになって這い進み、体はいつもあざだらけで、実弾で人の的を狙い、手りゅう弾を投げるためのハンドボール投げをし、沖縄で機動隊と海上保安庁の暴力を目の当たりにし、子どもの頃から人間の残虐性を見てきました。危機感のない人が管理する国ほど、怖いことはありません。

 

◆不規則発言も「発言」ちなみに全部 自民党の議員から(その3)

最終的に「国会議員にでもなれ」と言われたかと思います。

いいえ。これは、地方議会でなければできない議論です。日本国憲法の下であればこそ、地方議会でしなければならない議論です。

1888年、明治憲法において市政及び町村制の制定は、地方行政組織を中央集権的な統治基盤に位置付けるものでした。そうやって戦争に突き進み、敗戦ののち制定された日本国憲法では「地方自治の本旨」を掲げ、地方自治体を国から独立した存在として意思決定する「団体自治」と、住民を主体とする「住民自治」を設けました。

国においては、防衛大臣が「個人情報の提供は強制ではない」と明言し、個人情報の提供を明記した法律もありません。あとは、自治体がどうするかです。

これで、個人情報保護条例の「例外」としていたら、住基法も個人情報保護法も抜け道だらけになりかねません。この件は、そういう危険の前例を常態化している点が大きな問題です。

 

◆最後に

おかしいよね、という疑問を共感できる市民の力が必要です。「名簿の提供はやめてほしい」「必要性の検証はした方がいいんじゃないか」「自分の個人情報 提供してほしくない」など、それぞれの意見を市に届けてください。冷静に意見を伝えていただくようお願いします。

できれば、どういう反応があったか、私にも共有してくださると有難いです。070-6474-8339までお願いします。留守電のときはメッセージをお願いします。

担当しているのは市民課ですが、電話をすると通常業務との兼ね合いもあるため、メールで「自衛隊への個人情報提供について」として意見を届けるのがいいかと思います。

www.city.karatsu.lg.jp

 

「力」というのは、議会がもつものです。一人の議員が是正を訴えたところで、多くの議員が「別に個人情報を提供したから何が問題なのか」と思っていれば、何度 取り上げても変わらないでしょう。しかし、私は市民に「これでいいのか」と問題提起します。質問の中において、自衛隊の批判をした訳ではありません。現状が「例外」として認められるなら、今後、いくらでも「例外」を作れるじゃないかという問題提起です。

 

Japan self defense force☆forever