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福祉入浴施設の存在意義 天徳の湯はただの温泉施設じゃない

久しぶりの更新です。6月議会の一般質問では、資料になっていない声を集めるところから取り組む必要があり、3月議会のように他の議員さんの質問について、ゆっくり考えることができませんでした。

 

一つ一つ、綴っていきます。
今回の質問では、福祉を取り上げました。
#おうち温泉天徳の湯 を休止する方針があることが「市民厚生委員会」(議会に提出された議案などを、少人数の議員で専門的・能率的に審査するために設置される議会の内部組織のこと。唐津市議会 用語集より)で説明され、新聞で報道されました。施設で働く人ですら、報道で知る。新聞を読んだお客さんから聞かれて知る。問い合わせの電話が、たくさんかかってくるのに説明できない。という状態を生みました。

www.city.karatsu.lg.jp

 

#天徳の湯 をはじめ、行政が運営する入浴施設の多くは「福祉入浴施設」という扱いになっており、地域住民の福祉の向上に寄与することが設置の目的です。
目的を果たさない、必要なくなったから休止するならば妥当です。
しかし、現地で調べてみると、後期高齢世代の方たちが介護認定をとることもなく自立した生活を送る中で、この施設を頼りにされていることが分かってきました。

www1.g-reiki.net

 

それに対して、地域福祉はどこまで受け皿になれるでしょうか。
相知地区は市内でも三本の指に入る高齢化地域です。(平成27年10月1日時点の高齢化率は34.1%、高齢化率が50%を超える集落は3地区、最も高齢化率が高い集落は75%。「唐津市過疎地域自立促進計画 平成28年度~令和2年度」参照)
対して、地域包括支援センターの認知度は、活動内容まで知っている人は11.6%。(市内全域。「第3期唐津市地域福祉計画」参照)相知市民センター内に設置された「地域包括支援 相知サブセンター」の専門員は5名で相知、厳木、北波多の3地区を担当します。また、福祉委員というのがあって、基準数は50世帯に1人となっていますが、相知地区は84世帯に1人となっています。

 

今回の「休止」を打ち出すまでに、行政は利用者の実態調査と受け皿の検討を脇に置き、内部での話し合いを重視していたようです。これを前例として、こうした計画性のない福祉施設の休止・廃止が進む可能性が否定できないため、天徳の湯の件は全市的に目を向けるべきものではないでしょうか。

 

ある若い常連客の一言
「ここがなくなったら、おばあちゃん達は どこへ行くんでしょうね」
おばあちゃん達が、この問いの答えを持てるような調査・対策を打つ努力が、今は見られませんでした。

 

かつて、私は都内で、地域の高齢者の日常生活支援員をしていました。月に1回、土曜日には職員研修をする、規模の大きなNPO団体でした。そこで働く中で、村木厚子さん(元 厚生労働省官僚)の話を直接 聞く機会もありましたし、大学の教授や現役の厚労省職員が来ることもありました。
その中で、現場のみんなで腹を立てた言葉が「福祉は安上がりでできる」です。すごい発見をしたように話された記憶があります。国の省庁の人間だったとは思いますが、どこの誰だったかは覚えていません。
私が働いていた団体は、生活困窮者の支援をするNPOから有限会社と株式会社を創設していました。そうやって、様々な職種で連携することで、貧困・高齢でさらに公共のサービスの枠からはじき出された人の地域生活を支える集団でした。
私には介護や福祉の経験はありませんでしたが、専門職の方と関わりながら、経験のある先輩に相談しながら、とにかく「会いに行く」「話を聞く」をベースにしていました。
ひたすら、目線を合わせて、寄り添って、、、疲れて辞めていく職員も多い中で、出来るだけのことをやると同時に、いつ自分がいなくなってもいいように記録を残し続ける仕事。
それを、国の機関から来た人間が「介護・福祉は安上がりでできる」と評したのです。
難しいことは分からない私でさえ、怒りを覚えました。

 

その後、「介護切り」と「地域包括ケアシステム」というものが提唱されました。いつ、どうやってだったか、私は自分がやってきたことが、国のモデル事業の一つになっているらしいことを知りました。
東京で出来たことを、全国 一律に制度としてやらせるのは無理があります。

しかし、自分自身が「安上がり」な地域生活支援を実証したうちの一人だったのです。
その延長線上に、今回の福祉入浴施設の突然の休止方針の発表もあると思えてなりません。

 

地域の人たちの集う場所、体を休める場所、交流する場所、子育て中に相談できる場所、色々な役割をもった福祉入浴施設を今回のような形で休止にしてはいけないと思います。

 

今日は教育の日でした。子ども達と一緒にmonさんの歌を聴いてきました。

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monさんのアルバム