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学校給食について考える機会を。署名を提出しました

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フォトAC まっきぃぃさん

10月23日、第一中学校と第五中学校も給食の実施を願う署名983筆を市長・教育長宛てに渡しました。

この二校は選択式弁当(任意で事前注文し、業者から配達される弁当。家庭負担の一食単価は270円です。他の中学校では、自校式または給食センターから配送。一食単価は280円~305円)

令和元年度の選択式弁当の注文数は、二校合わせて2,374食。児童数853名、職員数43名に対し、年間の延べ注文数が2,374食ですので、利用がかなり少ないことが分かります。

耳に入ってくることには、弁当を注文することが冷やかしに繋がる注目を集める事象になることがあるそうです。それが嫌で注文したがらない子もいるのだとか。

私も第一中学校の出身ですが、あの頃は選択式弁当もなく売店でパンを買っていました。個々にパンを買い求めると大変なことになるため、朝 クラスごとに注文をとりまとめ、売店に持っていきます。すると、売店の方が昼休みまでに仕分けてくださり、クラスから一人だけ受け取りに行きます。希望するパンが足りなくて、代替えの菓子パンになるのは日常茶飯事でした。

お弁当の子と、売店のパンの子が入り混じる訳ですが、そのことによる冷やかしは、、、私の周りではなかった気がします。パンよりも弁当の方が家庭ごとに違いが出るのが嫌だった記憶はあります。食べられるだけでも有難いのですが、食べる場所を選べず人目を避けるのが難しい学校では、家庭の状況を反映する「弁当」は思春期にはキツイものがあります。

 

給食に関して、あまりいい思い出がなく、高校まで「みんなの中で食べる事」はストレスでした。

小学校は給食でしたが、周りより食べるのが遅く、食べ残しをしないために黙って食べていたら男子から「ナガサワ」というあだ名をつけられました。ちびまる子ちゃんに出てくるキャラクターですね。今でこそキャラ立ちしていますが、当時は「暗いやつ」の代名詞でした。それから中学を卒業するまで、一部の男子から「ナガサワ」と呼ばれ続けます。

高校進学を機に、通学ながら唐津を離れましたがお昼ご飯を抜くことが増えました。食べないときは、食べる人たちの中にいると気を遣わせてしまうため(同級生から、教室に居るなら食べろ、食べないなら居るなと言われました)ふらっと姿を消すようになりました。

学校ではそうでしたが、16歳から始めていたバイト先では、みんなで食べる時はたいてい楽しく過ごせました。「食べるのがストレス」になるのは、環境や周囲の人によるものだと分かりました。

結論としては、給食があって良かったと思っています。給食のおかげでキュウリを食べられるようになりましたし、外食などすることはなかったので「家のご飯」以外の料理を知る数少ない機会でした。

 

弁当派の方は、給食にするなんてけしからんとお考えでしょう。給食があっても弁当を持たせている人もいますし、弁当か給食かという「選択肢があること」が大切だと思います。

 

提出された署名は「唐津の義務教育を考える会」として、現役の保護者さんが出来る範囲でと取り組まれているもので、署名提出は二度目です。

要望されているのは、

① 全小中学校を給食にすること

⇒ 市内には小中学校51校(七山や離島は小中学校)があります。

  給食センターは、東部学校給食センター(小学校11校、中学校9校)、肥前学校給食センター(小学校6校、中学校2校)、鎮西学校給食センター(小学校3校)、呼子学校給食センター(小学校2校、中学校1校)があり、合計で約11,000食を提供しています。

東部給食センター以外は、昭和53年、平成8年、平成4年に供用開始しており、これら3センターの食数を全て賄うよう計画されているのが「西部給食センター」です。

西部給食センターは令和5年度の供用開始が見込まれていて、一中、五中へも配食できる能力が整います。

 

② 給食の受け渡しの負担に対し、人員面の配慮を

⇒ 特に大規模校で不安材料になっています。学校によって対応が違いますが、図書室、保健室、事務室、4限目の授業がない先生などが受け取りに集まって来られます。その間、各特別教室は無人となり施錠されます。この要求については、普段からの人員体制に強化が必要なのだという事は教育委員会事務局も認識しているようです。

 

③ 自校式(学校に給食室がある)の存続も考えてほしい

⇒ 現在、自校式で給食を提供しているのは小学校11校(東唐津、外町、長松、西唐津、高島、鬼塚、湊、成和、馬渡、加唐、小川)、中学校6校(鏡、西唐津、湊、馬渡、加唐、小川)です。離島の学校には配食できないため給食室が残りますが、その他はセンターに集約が見込まれています。

自校式の給食には、地元食材が利用しやすい、万一の異物混入時に迅速に提供を止められる(大規模なセンター方式になるほど連絡の時間が必要になる。例えば、東部給食センターでは20校と連絡をとり合わなければいけない)、災害時にも調理場として使えるなどのメリットがあります。アレルギー対応の食数もセンターより少ないため安全面でプラスです。

一方で、財政、人員面の課題では、給食室の構造がHACCPでないといけないことで、従来よりも広い面積が必要かつ建設費用が膨らむこと、調理員の確保があります。

www.mhlw.go.jp

食育を考えるなら自校式がいいが、例え財政面が何とかなっても面積と人員は変わらず課題だということです。大規模校での自校式給食は現実的に困難です。

では、児童数が減って給食室の面積を広げられるならば壁が一つなくなりそうです。代わりに、別の壁が現れます。「あの学校は自校式なのに、うちは違う」という声です。

自校式給食を「特色」として残す選択はあってもよいのではないでしょうか。現在、小中ともに自校式なのは離島を除けば、湊小・中学校、西唐津小・中学校です。どちらも、今後 人口が減っていく地域であり、湊地区においては1クラスの生徒数がほとんどの学年で10人台です。市内西側は、農業・漁業・畜産業すべてが盛んな地域ですし、自校式給食を特色として打ち出してもいいではないかと思います。

現在、市内東側、鏡・浜玉に人口が移動しているのは子ども達の食育・教育のためというより、大人側の選択によるものです。田畑が宅地化されることで、災害対策、道路の維持管理、上下水道の管理への投資が必要になります。ずっと人が住んできた地域よりも地域コミュニティの繋がりが弱ければ、その分、今後 長きに渡る市民サービスエリアの拡大・行政が担うことの煩雑化が生じる可能性もあります。

離島で不登校の子に対応できるのも唐津市内における学校の特色です。人口が減っていく地域に、自校式給食という特色、選択肢が残されていてもよいのではないかと思います。現在でも、給食の有無が引っ越し先の検討要素になることはあるようです。

例え自校式給食を残すとしても、客観的な判断基準が必要です。既に給食室がある学校で、将来的に小中の一本化や統合が見込まれるなどですが、必ずしも湊や西唐津がそうだという訳ではありません。従来の給食室とは全く別物の構造になるなら「既に給食室がある」は不要かもしれません。

いづれにしても、行政としては、現在は全く検討されていません。

 

令和5年度に供用開始目標の西部給食センターの予算総額は約40億円。5,000~6,000食の配食になるでしょうか。

 

給食費の無償化についても、改めて市長に確認しました。一中・五中をきちんと給食にしてから着手したいということでした。

1人一台のタブレット端末の導入に係る通信費・端末更新、エアコンによる電気代の増加など、教育環境を整えるための財政状況が変わる時期でもあり、新型コロナウイルスへの対応で国家財政も加速度的に借金を積み増しました。

市全体での事業をみて、何を残し・守っていくか、個々に考えつつ、他者の意見を聞きつつ追及し、何らかの変化は避けられない時代だと思います。

その中で、教育に関することは守っていくべきことだと思っています。

今回は会の方が、日中 動きにくいということで受け渡しを託されました。給食に反対される方たちも折々に意思表示をされています。こうして意見を交換する機会を待っているのではなく、つくっていくことで「教育の環境について、これだけの市民の関心がある。自分たちの仕事をみられている」と伝わります。

会の方、賛同されたみなさん、ありがとうございます。

 

2020年8月7日 伊賀タウン情報ユー

自校方式の中学給食を 要望書と署名1253筆提出 名張の市民団体 | 【伊賀タウン情報 YOU】

 

2019年11月25日 農民新聞

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安全でより豊かな学校給食を